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飲酒運転めぐり刑事裁判は「無罪」も、民事は事実を「認定」…真逆の判断に “逆転”判決はなぜ起きる?

飲酒運転をめぐる刑事裁判で無罪が確定した福岡市の男性が、福岡県に対し、運転免許を取り消した処分の取り消しなどを求めた訴訟で、福岡地裁は5月29日、男性の酒気帯び運転を認定し、請求を棄却した。

報道によると、男性は2020年1月、同県内の道路で酒気帯び運転をしたとして道交法違反などで起訴され、同年8月に同じ飲酒運転を理由に免許取り消しの処分を受けた。

一審・福岡地裁は2020年12月、男性を有罪としたが、2審・福岡高裁は2021年10月、現場から車のキーがなくなっていたこと等から「第三者が運転していた可能性が認められる」として、一審判決を破棄し逆転無罪を言い渡した。その後検察側が上告せず判決は確定したものの、福岡県公安委員会が免許取り消しの処分を取り消さなかった。

処分取り消しを求めた今回の民事訴訟では、男性側が主張する第三者が運転していた可能性について、防犯カメラ映像で確認できないことや、第三者が特定していないことから、「不自然、不合理であるといわざるを得ない」と判断。「男性が酒気帯び運転した」と刑事裁判とは真逆の認定をおこない、処分は適法とした。男性側は控訴する方針だという。

刑事裁判で無罪となったにもかかわらず、同じ事実について争う民事裁判で「いいえ、あなたの仕業です」と言われて納得しろというのは難しいだろう。どうしてこのようなことが起こるのか。「刑事・民事で真逆の判断」で紛争の解決がかなうのだろうか。神尾尊礼弁護士に解説してもらった。

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「少しのうんちなら、おむつ替えない」 乳幼児育てる困窮世帯、厳しい実態浮き彫りに…セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンが調査

公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは2月12日、3歳以下の乳幼児がいる非課税世帯などを対象とした生活状況に関する調査結果を公表した。

調査では、回答世帯の約半数が経済的な理由で紙おむつが買えなかった経験があると回答。そのうち約75%がおむつを替える回数を減らしたとし、中には「少しだけうんちをした場合は替えずにそのまま履かせた」人も1割強いたという。

セーブ・ザ・チルドレンの田代光恵さんは、この日開かれた会見で「経済的に困難な状況で乳幼児を育てる世帯の厳しい現状が改めて浮き彫りになった」と話した。

そのうえで、国や自治体への提言として、紙おむつや必要に応じて粉ミルクなどの支給するとともに保健師などの訪問とセットにして定期的な見守りを推進する、保育所などを優先的に利用させるといった対策を挙げた。

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新幹線で「果物ナイフ」持った老夫婦、警察出動の騒ぎ…なぜ「違法」にならなかった?

JR静岡駅で3月15日夕方、新幹線の車掌が、乗客の中にナイフを持っている老夫婦を見つけて、警察に通報する騒ぎがあった。

テレビ静岡などによると、老夫婦は、果物の皮をむくために「果物ナイフ」を持っていたという。新幹線は15分ほど遅れて出発したが、2人は無事に目的地に到着できたそうだ。

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過労自殺、解決までに13年…社長は「労基法は分からない」と証言、故人への誹謗中傷も

「これが自分の限界です」「自分みたいに負けないで」ーー。そう遺書を残して2005年に自ら命を絶った男性の過労自殺事件が、13年の月日が経過し、ようやく終わろうとしている。

横浜市の電気通信設備会社に勤務していた男性(当時27)は、2005年7月末の午前3時、深夜業務後の帰宅途中に交通事故を起こし、けがのため出勤できなくなった。その直後に精神障害を発症。2005年8月10日、自ら命を絶った。亡くなる1か月前の2005年7月、会社の売り上げは通常の23倍にのぼり、男性は約177時間もの時間外労働をしていた。

今回の事件で会社側は自分たちの非を認めず、虚偽説明や故人への誹謗中傷を繰り返した。

遺族が損害賠償を求めた訴訟の尋問で、社長は「36協定とかは全然わからないで会社を作っていました」と証言。1日の労働時間は8時間、1週間40時間を超えてはならないと定める労働基準法についても「すみません、それは分かりませんでした」と話した。

「会社が尽くしてくれた人に対して、手のひらを返す。事件は終結を迎えても、怒りは収まらない」。男性の遺族側代理人をつとめる山下敏雅弁護士に、今回の過労自殺事件の経緯と過労死を巡る問題について聞いた。(編集部・出口絢)

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ひきこもり支援うたう「自立支援業者」が破産、2000万円支払った女性「返金もなく悔しい」

ひきこもり当事者らの「自立支援」を掲げる民間業者で、昨年末に破産を申し立てた「クリアアンサー」社(東京・新宿)の第1回債権者集会が、3月30日に開かれた。同社の運営する「あけぼのばし自立研修センター」は、強引に当事者を入所させ、親に高額な報酬を請求することが問題視され、被害者の提訴が相次いでいた。

被害対策弁護団が債権者集会後、都内で開いた記者会見には、長男を入所させるため、同社へ2000万円以上を支払ったという母親(76歳)が出席。「契約を1年更新した2カ月後、息子は突然帰宅させられ、ひきこもりに戻ってしまった。返金もなく悔しい気持ちでいっぱいです」と訴えた。

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外国人の皆さん、残業代払われていますか? 4月15日、無料の電話法律相談会

日本で働く外国人を対象とした無料の電話法律相談会が4月15日(日)の13時〜18時まで開かれる。日本語だけでなく、英語中国語スペイン語ポルトガル語ベトナム語ビルマ(ミャンマー)語にも対応する。電話番号は、03-6427-5902。

外国人からの次のような労働相談に弁護士が答える。

・仕事や通勤中にケガをしたが、会社がお金を払ってくれない

・お給料、残業代を払ってもらえない

・理由も無いのに仕事を辞めさせられた

・いじめ、セクハラを受けている

「外国人労働者弁護団」と「外国人技能実習生問題弁護士連絡会」の共催。詳細は、弁護団HP(https://grb2012.wordpress.com/)。

日本語チラシ

(弁護士ドットコムニュース)

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ブラック企業大賞「来年は裁量労働制が焦点」「公共部門がヘタっている」委員らが議論

ブラック企業大賞の発表・授賞式が12月23日、都内でおこなわれ、「引越社・引越社関東・引越社関西」(アリさんマークの引越社)が大賞に選ばれた。その後のシンポジウムでは、同賞の実行委員会のメンバーによるシンポジウムがおこなわれ、長時間労働をなくすための今後の課題について意見を交わした。

同実行委員会の委員で、ジャーナリストの竹信三恵子さんは「今回のノミネート企業には、病院や放送局、オリンピック建設関連など、公益性・公共性の強い分野が入った。公共サービスにお金が入っておらず、公共部門がヘタってきている。(現場の人たちは)厳しい働き方をさせられている」とコメントした。

労働運動活動家の河添誠さんは、「ブラック企業大賞のノミネートは、社会の中にあるひどい企業のごく一部だ。職場で声をあげたり、労災になって当然の事案でも認定されたり、報道されたりした中から、特にひどいものをノミネートしているにすぎない。日本は、労働被害・人権侵害が隠された社会だ」と指摘した。

ブラック企業ユニオンの坂倉昇平さんは「来年は、裁量労働制の問題が焦点となる。ゲーム業界、IT業界(ウェブデザイン)、出版・メディアから相談が来ている。合法だけれど、過労する人が発生する状況がある。厚労省・労基署逃れの手法が広がっている」と述べていた。

政府がすすめている「働き方改革」について、同実行委員会の委員の佐々木亮弁護士は「『同一労働同一賃金』など、耳障りの良い改革が含まれているが、ブラック企業の拡大に役立つ『裁量労働制の規制緩和』については、通していけないと考えている。来年の通常国会の最大の焦点になる」と語った。

(弁護士ドットコムニュース)

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佐川急便でまたパワハラ自殺、上司が激しい叱責「お前どれだけ嘘つくんだよ」 会社は謝罪

物流大手「佐川急便」の男性社員(当時39歳)が今年6月、都内の営業所の社屋から飛び降り自殺した。会社側が遺族に提供した調査報告書によると、原因は上司のパワハラにあったとみられる。遺族側の代理人弁護士が11月4日、記者会見を開いて公表した。

佐川急便では2011年にも上司のパワハラが原因で社員が自殺し、労災認定されている。今後、会社側と補償について話し合うという。労災の申請も検討する。

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謎の「若松組」が換気扇から出現、突然ニワトリになった家族…統合失調症の闘病体験を「幻聴妄想かるた」に

「ニワトリになった弟とオヤジ」「宇宙人の女の子を助けた」……。世にも不思議なカルタが、次々と読み上げられる。これは、統合失調症の人たちが自分の闘病体験を元に作った「幻聴妄想かるた」。明治大学・中野キャンパスで11月に行われたイベント「ヒューマンライブラリー」で訪れた人たちに紹介された。

「幻聴妄想かるた」を制作したのは、東京都世田谷区にある就労継続支援B型事業所「ハーモニー」(http://harmony.exblog.jp/)に通う人たちだ。平均年齢は50代で、ほぼ全員が心療内科や精神科に通院、約8割の人たちが統合失調症だという。自分を悩ませる幻聴や妄想の体験をお互いに話し合う中から、このカルタが生まれた。

ユーモラスなカルタは、なかなか他人に自身の病気のことを理解してもらえない当事者や、統合失調症の知識がなく敬遠してしまう人たちの心にある垣根を超える。2008年に初めて制作され、これまでに累計発行部数は7000部に及ぶ。「幻聴妄想かるた」の魅力はどこにあるのか。ハーモニー施設長の新澤克憲さんに聞いた。 (弁護士ドットコムニュース編集部・猪谷千香)

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Go To イートでポイント荒稼ぎ、1品だけ注文「トリキの錬金術」に鳥貴族が「悩んでおります」

政府の飲食店支援策「Go To イート」キャンペーンが10月から始まっている。

新型コロナ感染予防対策に取り組みながら営業している飲食店および、食材を供給する農林漁業者を支援するキャンペーンだ。

しかし、このキャンペーンが「不都合な使い方」をされ、参加する居酒屋チェーン「鳥貴族」が困っているという。一部の客が298円の商品、1品だけを注文していくのだ。