損害賠償請求事件
平成22(受)2101
損害賠償請求事件
最高裁判所第三小法廷
平成25年3月26日
判決
棄却
大阪高等裁判所
平成21(ネ)3080
平成22年7月30日
建築基準法(平成16年法律第111号による改正前のもの)6条1項,建築基準法(平成18年法律第92号による改正前のもの)6条3項,建築基準法(平成18年法律第92号による改正前のもの)6条4項,建築基準法(平成18年法律第92号による改正前のもの)6条5項,国家賠償法1条1項
本件は,建築物の建築主である上告人が,建築基準法 (平成14年法律第22号による改正前のもの。以下同じ。) 6条4項によりその計画の確認をした建築主事が属する被上告人に対し,確認の申請書に添付された構造計算書に一級建築士による偽装が行われていたことを看過してされた確認は国家賠償法1条1項の適用上違法であり,それによって改修工事費用等の財産的損害を受けたとして,同項に基づき損害賠償を求める事案である。
1 建築士の設計に係る建築物の計画についての建築主事による建築確認が国家賠償法1条1項の適用上違法となる場合 2 一級建築士により構造計算書に偽装が行われていた建築物の計画についての建築主事による建築確認が国家賠償法1条1項の適用上違法となるとはいえないとされた事例
1 建築士の設計に係る建築物の計画についての建築主事による建築確認は,当該計画の内容が建築基準関係規定に明示的に定められた要件に適合しないものであるときに,申請書類の記載事項における誤りが明らかで,当該事項の審査を担当する者として他の記載内容や資料と符合するか否かを当然に照合すべきであったにもかかわらずその照合がされなかったなど,建築主事が職務上通常払うべき注意をもって申請書類の記載を確認していればその記載から当該計画の建築基準関係規定への不適合を発見することができたにもかかわらずその注意を怠って漫然とその不適合を看過した結果当該確認を行ったと認められる場合に,国家賠償法1条1項の適用上違法となる。 2 一級建築士により構造計算書に次の (1) ア〜ウの偽装が行われていた建築物の計画に係る建築主事による建築確認は,次の (2) ア〜ウなど判示の事情の下においては,国家賠償法1条1項の適用上違法となるとはいえない。 (1) ア 開口部が広くつなぎ梁がぜい弱である耐震壁につき,本来の2枚ではなく1枚の耐震壁としてモデル化して応力の計算がされていた。 イ 1階の剛性率は,10分の6以上ではなかったのに,10分の6以上とされていた。 ウ 耐力壁の断面の検討における設計用せん断力につき,当該構造計算書で用いられている国土交通大臣の認定等を受けたプログラムによる応力解析結果と異なる何の根拠もない数値が手作業で入力されていた。 (2) ア 当時の建築基準関係規定には,建築物のモデル化の在り方や内容に関する定めがなかった。 イ 1階の剛性率は,適切な入力データに基づき上記プログラムにより計算された結果として記載されていた。 ウ 国土交通大臣の認定等を受けたプログラムは100種類以上あってその種類や追加機能の有無により手作業で入力すべき項目の範囲等が多種多様である上,当該構造計算書における上記プログラムの出力結果は膨大なものであり手作業で入力された数値も相当多岐にわたっていた。 剛性率 :地震荷重に対して求められる層間変形角の逆数を各階の層間変形角の逆数の全階にわたる平均値で除した比率 せん断力:部材等の断面に作用する応力のうちその断面の両側を相互に逆方向にずれさせるように働く力
平成22(受)2101
損害賠償請求事件
最高裁判所第三小法廷
平成25年3月26日
判決
棄却
大阪高等裁判所
平成21(ネ)3080
平成22年7月30日
建築基準法(平成16年法律第111号による改正前のもの)6条1項,建築基準法(平成18年法律第92号による改正前のもの)6条3項,建築基準法(平成18年法律第92号による改正前のもの)6条4項,建築基準法(平成18年法律第92号による改正前のもの)6条5項,国家賠償法1条1項