この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
家族がいるものの、家族には秘密で自分のために借りたお金があり、これまでは何とかだましだましで返していたのが、ついに返せなくなりご相談にいらっしゃいました。ご自身の事情から、自己破産ではなく個人再生でご依頼いただき、家族には秘密でやりきることを目指すことになりました。
解決への流れ
個人再生手続の申立てには、いくつもの資料が必要になりますが、その中には配偶者が管理している資料が必要となるものもありました。そのため、これを入手しようとすれば、配偶者に発覚してしまうため、直接取得することは難しい状況でした。そこで、遠回りではあるものの、銀行などの契約相手にご本人に直接連絡してもらい、弁護士のもとに送れるものは送ってもらい、送れないものについては時間をみてご本人に街中の支店まで行っていただくなどして収集するようにしてもらいました。また、ネット銀行などではウェブ上で資料が入手できるため、その場合にはデータとして弁護士宛に送ってもらうなどして、準備していることが家庭内で発覚しないように行動するよう助言しました。その結果、無事に資料が整い、申立も完了し、その後の個人再生手続も問題なく終了したため、ご相談者の方は、家族に秘密のまま返済段階に至ることができました。
自己破産や個人再生など裁判所を利用する手続では、家計に関する資料や財産に関する資料など、多くの資料を裁判所に提出しなければなりません。そして、婚姻中の場合、これらの資料は、夫婦がバラバラに持っている(自動車関係の資料は夫が持っており、保険証券は妻が管理しているなど)ことが少なくないので、家族に秘密で進めようとすると、資料を集めるときにこの問題に直面することになります。もちろん、こうした問題を乗り越えて資料を集めるのは容易ではありませんが、資料によっては別の方法で集めたり、別の資料をもって代えることが可能な場合もあります。家族に秘密で借金を抱えることの良し悪しは別として、それが発覚しないことで今後も変わらぬ生活ができる場合もあるかと思いますので、一律にあきらめずにどういった状況なのか、弁護士にご相談してみてください。